シナリオの概要

トーキョーN◎VA The Detonation/「Double Cross Blight」
■シナリオデータ
プレイヤー:2人
プレイ時間:3〜5時間
舞台:現在のトーキョーN◎VA
 
■アクトトレーラー
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完璧な動機と、完璧な存在証明。
単純に見えた殺人事件に潜んでいたのは、矛盾するふたつの存在だった。
容疑者の少女が流した涙の意味を求めて、
正義と真実という鋭くも脆い刃で事件に立ち向かうキミ達を待ち受けていたのは、人間の心に潜む深く、暗い闇だった。
真実と偽りが交差するときに浮かび上がるキーワード“ダブルクロス”の正体とは―
トーキョーN◎VA The Detonation
ダブルクロス ブライト」
Double Cross Blight―
 運命の扉を開けて、希望を抱いて進んだ先に待つのは、絶望。
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■シナリオハンドアウト
 各キャストには以下の設定がつくことになる。キャスト作成時にプレイヤーとよく相談すること。
『フェイト』:探偵
『イヌ』:ブラックハウンド機動捜査課。
推奨スタイル:フェイト
コネ:ユミ 推奨スート:クラブ
 キミは探偵、この世界で真実という刃を操れるただひとりの騎士だ。キミの元にユミという少女が依頼に来た。親からDVを受けているので助けて欲しいという。ユミはキミの誠実な対応に感謝した。翌日、ブラックハウンドに呼ばれたキミが見たのは、親殺しの容疑者となったユミだった。ミキはいわれのない容疑で苦悩している。事件に真実という刃をかざし、ユミを救えるのはキミだけだ。
PS:真犯人を捜しだし、ユミを助け出す。
推奨スタイル:イヌ
コネ:ユミ 推奨スート:ダイヤ
 法の番人であるキミが捜査しているのは、殺人事件だ。被害者にはユミという娘がいる。被害者からDVを受けていた彼女が第一容疑者として挙げられたが、ユミには犯行時刻に“フェイト”と会っていたという確実なアリバイがあった。完璧な動機を持つ者が完璧なアリバイを持っている。猟犬としての嗅覚が違和感を感じ取り、キミは事件の捜査に本腰を入れることにした。
PS:真犯人を捜し出し、事件の全貌を暴く。
●必要な神業
 本シナリオでは、ゲストの即死系神業だけでキャストが死亡するのを防ぐために、キャスト全員で1個の防御系神業が必要だ。
■キャスト間コネクション
以下の順番で取得すること
『フェイト』→『イヌ』→『フェイト』

トーキョーN◎VA The Detonation/「Double Cross Dark 」
■シナリオデータ
プレイヤー:2人
プレイ時間:3〜5時間
舞台:現在のトーキョーN◎VA 
■アクトトレーラー
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 繁栄の街、トーキョーN◎VAの輝きの裏には闇がある。
犯罪という闇、その闇のなかでもとりわけ暗いのが殺人という闇である。
その殺人を取り仕切る組織が現われた。
ダブルクロス”、裏切りの名を持つ組織である。
この組織に立ち向かうのは、ふたり。
絶望すら絶望させて殺すほどの腕前を持つ“カタナ”。
闇すら塗りつぶすほどの闇を持つ“クロマク”。
死と闇を持って突き進むふたりに立ちはだかるのは、あまりにも巨大な“ダブルクロス”の闇だった。
全ての犯罪者がおののくほどの“ダブルクロス”の闇とは何なのか―
トーキョーN◎VA The Detonation
ダブルクロス ダーク」
Double Cross Dark―
 運命の扉を開けて、絶望すら殺して進んだ先に見えたのは、更なる絶望。
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■シナリオハンドアウト
 各キャストには以下の設定がつくことになる。キャスト作成時にプレイヤーとよく相談すること。
『カタナ』:殺し屋。“クロマク“のライトハンド。
『クロマク』:フィクサー
推奨スタイル:カタナ
コネ:“ユダ”由多十三(ゆた・じゅうぞう) 推奨スート:ダイヤ
 キミは殺し屋、トーキョーN◎VAの死そのものである。“クロマク”の右腕として、闇から闇へと、数え上げれば先に寿命が尽きるほどの命を葬ってきた。そんなキミが初めてミスをした。殺しの標的となった人物を、先に由多十三という殺し屋に殺されたのだ。仕事のミスよりも殺し屋としての誇りが傷つけられた。キミが誇りを取り戻す方法はただひとつ、由多十三の殺害である。
PS:由多十三を殺す。
推奨スタイル:クロマク
コネ:ダブルクロス 推奨スート:クラブ
 キミは犯罪を取り仕切るフィクサーだ。殺し屋の“カタナ”を右腕として、トーキョーN◎VAの闇そのものを操ってきた。しかし、そんなキミたちがミスをした。殺しの依頼を由多十三という殺し屋に奪われたのである。調査の末に判明したのは“ダブルクロス”という組織が、N◎VAで殺人を取り仕切り始めたという事実である。他の組織に仕事を奪われて、ストリートでの権威が失墜したキミたちには、“ダブルクロス”に然るべき報いを与える他に道はない。
PS:“ダブルクロス”を壊滅させる。
●必要な神業
 本シナリオでは、ゲストの即死系神業だけでキャストが死亡するのを防ぐために、キャスト全員で1個の防御系神業が必要だ。また、シナリオを進行させるために、情報収集用の神業(《真実》、《電脳神》など)が1個必要である。
■キャスト間コネクション
以下の順番で取得すること
『カタナ』→『クロマク』→『カタナ』
※注意事項
本シナリオにおいて、“クロマク”のキャストの《腹心》は“カタナ”に指定される。
それにより以下の点に注意すること。
・“カタナ”のキャストは“クロマク”のライトハンドであるが、キャストとしての自由意志を持つ。
・“カタナ”のキャストは自分の神業を通常通り、自分の意志で使用できる。
・“クロマク”の《腹心》の神業の効果を以下のように変更する。
《腹心》を使用した場合、ライトハンドのキャストに対して、エキストラと入れ替わる、《神出鬼没》の効果がもたらされる。
・《腹心》のポストアクトでの評価は、通常通りの評価で行なうこと。

※ふたつのアクトの取扱いについて
 本シナリオ、「ダブルクロス ブライト」と「ダブルクロス ダーク」は通常とは運営の方式が変わります。
 このアクトはひとりのRLが、「ダブルクロス ブライト」のPLふたりと、「ダブルクロス ダーク」のPLふたりを向かえて、同じ卓で二本のシナリオを並行で進めていきます。

●なんでこういうシナリオをプレイしたか。
プレイ日は2009年7月20日です。

今のところ二度とプレイするつもりはありませんが、シナリオの構造自体を残して示しておけば、
同じようなシナリオを書かれる方の役にたつのではないかと思い、シナリオを書いた経緯や総括も含めてここに書いておきます。
※ちなみにシナリオは現在消去しました。大体頭の中に残っているので書き直すことはできますが、暫く色々あってできませんし、やるつもりもありません。

・動機「なんでこんなシナリオ書いたのか」

元々は今年になってからBlueさんと飲んで話していたときに、

N◎VAには元々、「工夫したシナリオをつくろう!」という空気がありますよね。SSSの時には特にそれが顕著だった」

という話題が出まして、

「そういやそうだよな。んじゃ最近シナリオ造ってないし、リハビリがてら工夫したシナリオ造ろうか」

と思ったのが切っ掛け。

最近すっかり失いかけてたエッジな頃の自分に戻って書いてみよう、と思ったわけです。

そこで今かっこいいと思えることは何か考えて、素直クールにそれに従って書くことにしました。

攻殻SACみたいなスタンドプレイってかっこいいおぅ!!
こう大きい事件に関係しているのに、あくまでプレイは個別とか超イケてない?

これがかっこいいと思ったので、そこに従った。

それと、最近ではリプレイとかで個々のシリーズごとのクロスオーバーが流行っているので、

・こういうのが出てくれば、当然そういうのをやりたいと思うはず。
そして、こういう欲求の果てはつまるところ短時間化、すなわち

「1セッションでクロスオーバーを体感できるものがやりたい」

となるのではないか。

と、一応二つ考えてアクトを二分割して、同時進行で行うことにしました。
アクトはそれぞれ一つの大きな事件に関わるけれど、あくまで二つのアクト同士のキャストは同じ舞台で活躍したりはしない。

んで実際に動かす時に気をつけたのは、ここ。

・PLが暇している時間を通常のアクト以上のものにしない。
・別々のアクトに出ていても、それぞれが影響しあって、2つのアクトを同時進行している価値をPLが発見できること。

暇時間に関しては、

OPはブライト、ダークを交互に行う。
リサーチ以降はブライトのシーンを行ったら、次にダークの「舞台裏」をやる。
ダークのシーンをやったら、次はブライトの「舞台裏」をやる。
クライマックスは別の場所で展開していることにして同時進行で行う。

これで解決。

2つのアクトを同時進行している意味に関しては、情報項目にこういうものをだして解決しました。

・ブライト側
犯罪サイト
この項目はダーク側のゲストにより《完全偽装》されています。ダーク側で神業がバッヂされない限り調査はできません。

・ダーク側
同時期に起きた殺人事件
この項目はブライト側のゲストにより《不可触》されています。ブライト側で神業がバッヂされない限り調査はできません。


これは要するに二つのアクトがメタ的にはきちんと関係していて、相互に参加している意味があるんだよという、
いわばパズルダンジョンみたいな構成を一回N◎VAのセッションで行ってみたかったのです。
ダンジョンである部屋の彫像を動かしたら、全く別の部屋の隠し扉が開いた、みたいなそういう展開。

んで隠れている情報項目を各々のアクトで解除すると真相が判明し、ブライト側は実はダーク側のゲストをクライマックスに倒しにいく必要があり、ダーク側はブライト側のゲストをクライマックスに倒しにいく必要があることがわかります。

ここで相互のアクトへキャストが移動するわけですが、ここで、

「互いに関係していないとはいえ、やっぱ一回は会いたいよな」

ということで

クライマックス前に「互いのキャストがすれ違うだけ」というシーンが挿入されます。

後は別の舞台でクライマックスを終了したら、互いに元のアクトに戻りエンディングを迎える訳ですが、ここでもう一度「互いのキャストがすれ違うだけ」というシーンを挿入。

後は二つ同時進行している面白さを出そうと、ブライト側の事件の真相の一端をダーク側の情報項目の初期に挿入して判明したりさせましたね。

あの時はブライト側から「げーw」という嬉しそうな悲鳴が聞こえたので個人的にも実に楽しかったです。

まあそういう訳で駆け足ですがアクトの構成を書いてみました。

世の中は自分が思いついた時には三人ぐらいは同じ事を考えてると思っているので、もしそういう方がおられましたら、アクトを造る参考になれば幸いです。