特訓の日々
俺の前にずらりと並んだ屹立した若者たち。
俺「では、やってみろ。」
若者達は全員奇妙なポーズを取り、全身に力を込める。
すると周囲から、
ト・・・ト・・・
と擬音が響いてきた。そこで若者達はへばって座りこんだ。
「バカーッ!」
俺はへばりこんだ若者達に往復ビンタをして屹立させる。
愛とは、時には厳しさの形をとることもあるのだ。
若者達「無理ッスよ。いくら奇妙なポーズを取ったって、ジョジョの擬音
なんか出せる訳無いじゃないですか!」
俺「もう一度見本を見せてやる、よく見てろ。
まず、重心は踝と踵の間に置け。
そして足の甲の出っ張っている部分に力を込める。
初心者は「足に支倉をシューズにして履いている感じ。」をイメージすれば
判りやすい筈だ。
そして、尻をやや後ろに突き出す。これは、
「尻をバステト神に引っ張られて、前のチャックを
スティッキィー・フィンガーズに閉じられている。」イメージだ。
そして両手は広げて突っ張る。判るな、「両手とも右手」のつもりだぞ!
全身のバランスは少し崩して、右肩を
「ザ・ハンドの削られた空間に引っ張られる。」感覚で少し前に入れろ。
そして最後は眼だ!「新手のスタンド使い」になったつもりで
必ず上目使いだぞ!
これで完成だ。見ろ!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
若者達「スゲぇ!」
俺「どうだ。世の中ガンバれば出来ない事なんてないんだ。
さあ、もう一度やってみろ!」
若者達「はいっ!」
今日、「スティール・ボール・ラン」を楽しみにコンビニに行ったら、
「19日発売」という事を知らなかった。全国で同じ悔しさを味わった者達は
きっと今頃同じ特訓をして来週に備えている筈だ。