最近一番面白かった本

マネー・ボール*1 著:マイケル・ルイス 訳:中山 宥(ランダムハウス講談社
 ここ数年、メジャーリーグでは資金力の乏しいオークランド・アスレチックスが大躍進をとげている。
 貧乏でスター選手が雇えない球団が勝ち続けるのは
GM(ゼネラル・マネージャー)のビリー・ビーンの経営方針にあった。
 つうわけでGMビリー・ビーンと、オークランド・アスレチックスの野球観について書かれた本だが、野球に詳しくない俺でも書いてあることが目ウロコの連続。
「エラーのカウントは選手を評価する数値としては全く意味がない。」
「野球はつまるところ「27個アウトを取られる間に、以下に点数を稼ぐか」というゲームなので、盗塁、送りバント、タッチアップ、ヒット・エンド・ランはアウトカウントを増やすだけなのでチームの方針としてやらせない。」
「打点の数値とは打者がヒットを打った時にいかにランナーが塁上にいるかで決まる。これは打者に依存しないので打点という数値は打者を評価する基準にはならない。」

書いてあることはこんなことばっか。
 そして、独自の評価基準で、他のチームが評価せずに
安い契約金とトレードで集めてきた選手達のエピソード。

超ハァハァして読んだ!
昨日、N◎VAのセッション前に買ってから興奮して、暇を見てはずっと読んでた。

いや面白い面白い。あと、ビリー・ビーンが優れた経営手腕を見せながらもスグブチ切れる短気君なのでその辺のエピソードも面白い。
 とにかく読んでいると、メジャーリーグ界というものが、いかにデータを活用せずに、いわゆる「勘」「経験」というものを優先した閉鎖社会であったかが判る。

 まあ、こういうものを読んでいるとTRPGももっと客観的なデータがあればなぁと思う。
例えば、「1つのダンジョンでパーティー*2はそれぞれのスキルを活用することによって、活躍する場面が割り振られることになっているが、実際に1つのダンジョンのプレイ時間を計測して、各自のキャラの活躍する時間の配分を測定したデータ」
とかは、誰も求めてないし無い訳よ。
 ある意味では、キャラクターのコンボとかより重要なデータなんだが。
まあ、実際に調べるとなったら膨大な時間と人員と金がいるので、現実には出来ない。無論、俺も「調べてるヒマがあったら遊ぶよ」という人種なのでそんなことしない。
少し残念。

*1:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4270000120/250-0266213-6288250

*2:ファイター・プリースト・シーフ・ウイザードなど