トロン問答〜「こんにゃく問答」より〜

どうも皆様お久しぶりです。先月から10分ぐらいは経ちましたっけ?
前回は寿限無を語らせて頂きましたのですが、
案の定、お客さまからはウンともスンとも<死の舞踏>とも言われなかった訳ですな。
でも新しい噺を思いついたから書いちゃうのが、素人の悲しいところです。
ですがね、お客さん。
ここだけの話ですが、世の中には素人にやらせた方が案外うまくいく事があるんですよ。
聖母殿であった話なんですがね。
おおここだここだ。すいませーん。教皇さまはいらっしゃいますかー。
はいはい、氷が割れるような高い声をあげなくてもアーシェラはこちらですよと、
なんだい、ウィリアムの旦那じゃないかい。
何しにきたんだい、こちとら忙しいんだ。さっさと帰らないと塩の柱にしちまうよ。
冷たいことを言わないでくださいよ、こちとらN◎VAから年に一度の聖母殿の巡礼に来たんですから。
ふざけるんじゃないよ。あたしは今日から氷じゃなくて混沌さまを信心させて頂きます、
って聖母殿で喋って破門にされたのはどこのどいつだい。
いやそれはそれ、氷の下では浄化派も聖母殿も皆平等ということで。
相変わらず口が達者だね。こちらはそれどころじゃないというのに。ああ、どうしよう。
そうだ、ウィリアムの旦那。どうしても聖母殿で巡礼したいってんなら一つ、お願いがあるんですがね。
なんでしょう。もし聖母殿を巡礼させて頂けるんでしたら、N◎VAに飛行機を墜落させるとか、死国から化け物を呼び出すとか、全人類をAIにするとか、何でもいたしますよ。
いや、テロはいいから。そうじゃなくて、頼みたいのは問答の相手なんだよ。
どういうことですかい、教皇さま。
いや、実はね。先ほどから聖母殿の入り口で問答を頼みたいって爺さんがいるんだよ。
受けてやればいいじゃないですか。いつも通りぐぅの音もでないほど言い負かして氷の下に閉じ込めればいい。
氷の下は余計だよ。並みの相手ならそうするけど、困ったことにその爺さん、占いじじいなんだよ。
占いじじいだと勝てませんかい。
勝てないねぇ。あの爺さん、口が達者だし。
そこでウィリアムの旦那の口が立つのを見込んで、あたしの代わりをお願いしたいんだよ。
何、教皇の姿を見たもんはいないからね。あたしの服を着てりゃあ、ばれることはまずないよ。
いや、教皇さま。やるのはかまいませんが、浄化派のあたしが教皇さまの代わりを努めていいんですかい。
いやそれはそれ、氷の下では浄化派も聖母殿も皆平等ということで。
どこかで聞いたような気がしますが、よござんしょ。あたしでよければ精一杯努めさせて頂きます。
てなわけで本殿で教皇になりすましたウィリアムと占いじじいの問答が始まりました、クライマックスフェイズというやつですな。
ですがアーシェラさん。どうしても問答の様子が気になってしかたがない。
そこでライトハンドだけ登場させて、中の様子を覗いてみることにしました、PLの方は真似しちゃいけませんよ。
んで見てみると、二人とも無言で座ってましたが、しばらくすると占いじじいが右手の人差し指と親指で胸のあたりに小さな丸をつくってみせた。
するとウィリアムが両手で空に大きな丸を描いてみせる。
と、占いじじいは「ははっ」と平伏して、今度は両手を開いて十本の指を見せる。
すると、ウィリアムは右手を開いて五本の指を見せた。
と、占いじじいは「ははっ」とまた平伏して、今度は右手の三本の指を立てて見せる。
するとウィリアムは大きくあかんべぇをして見せる。
「参りましたわい」
と、占いじじいは言うとすごすごと聖母殿を去っていきました。
エンディングフェイズになりまして、個別エンディングに入ります。
まずはウィリアムのほうから。
すごいじゃないかい、ウィリアムの旦那。まさか占いじじいを本当にやりこめちまうとはねぇ。
いや、そうじゃないんですよ教皇さま。あれ問答じゃないんです。
どういうことだい?
いえ、どうやらあの爺さん、最初からあたしがテラウェアの社長だと気づいていたようでして、
まず、お前の会社のトロンのメモリはこれぐらいしかないだろうって右手でわっかをつくるもんで、
うちのトロンのメモリはこれだけあらぁな、と両手でわっかを作ってやった。
するとあの爺さん、トロンにはうといのか、じゃあプログラムは10個は走るだろう、って十本の指を見せたんで、
ふざけるな、59だって5個がせいぜいだ、と五本の指を見せてやった。
そしたらあの爺さん、しみったれてますね。3シルバーでトロンは買えるか、って聞いてきたんで、
おとといきやがれ、ってあかんべぇをしてやったら、たちまち逃げ出していきましたよ。
では、あとは占いじじいのエンディングです。
おい、弾王。このまえ教皇と問答をしてきたが、あのお方はやはりすごいぞ。
へぇ、どうすごいんですかい?
わしはキャストの本質が見たいと思ったので教皇ではなく、教皇のPLにこう聞いたのじゃ。
右手で小さなわっかを作って、好きなスタイルを一つ選ぶとしたらどれにする、と聞いたのじゃ。
すると、両手で大きなわっかをつくって、私は全てのスタイルを愛している。一つを選ぶなどという傲慢な振る舞いは出来ん、とな。
それで、両手を広げて十本の指を見せて、十年前はどのようにN◎VAを遊ばれていましたか、と聞いたら、
右手の五本の指を見せて、五年以上前の二十世紀のことなど語っても仕方がない、大事なのは今をどう楽しんで皆で遊ぶか、とな。
これはなかなか出来た方じゃと思って、自分の悩みを正直に打ち明けてみた。
右手の指を三本立てて、キャストで参加したとき神業三発の使いどころが分からなくて困ることがよくある、と。
すると目を広げてこう答えてくれたのじゃ。
RLの視線を見ろ、とな。

XYZがよろしいようで