モデルケースとその活用。

 皆さん、良く理想的なセッションとか言われますが、その理想的なセッションを具体的にモデルとして考えたり、どのように行うか検証したことがありますか?

 自分の中ではたまに検証しないと、自分がどのようにセッションを行うべきか分らなくなることがあるので考えたりしてます。

 例えばキャラメイクからスタートするセッションを4時間でトーキョーN◎VAを行うとすると、以下の通りに行うことを想定しています。

0:00 
 ↓   集合、アクトトレーラー、ハンドアウトの読み上げ、キャラ選択
0:15
 ↓   キャラ作成
1:00
 ↓   休憩*1
1:10
 ↓   オープニングフェイズ
1:35
 ↓   休憩*2
1:45
 ↓   リサーチ
2:15
 ↓   休憩*3
2:25
 ↓   リサーチの続き
2:55
 ↓   休憩*4
3:00
 ↓   クライマックス
3:20
 ↓   休憩*5
3:30
 ↓   エンディング&ポストアクト処理
3:50

で残った10分をトラブルの調整用の時間とする。

となる訳ですが、こういうモデルケースを自分の中で設定しておくと何がいいのかというとモデルケース通りに行かないときに検証できる。 

社会人の方はご承知だと思いますが、仕事をきちんと行う様にする為には
計画→実行→検証
の流れは不可欠です。まずこれを行っていない社会人はいないでしょう。
どうせなら遊びもきちんと遊びたいじゃないですか。
仕事で行っていることを遊びにも応用しようと言う訳です。
で、検証のコツですが、より細かく検証して、少しずつ補正するのが結局は楽です。

例えば、モデルケースより10分遅れた場合には、
「じゃあリサーチの時間を10分短縮して行おう」と大雑把に考えずに、
「ここで何秒か削れないか?」と細かく検証して、原因を一つ一つ潰していくのが良いでしょう。

自分の中で細かく時間短縮に成功した例として幾つかを挙げておきます。

1、事前に必要なものは出しておく。
これは集合する前に当日に卓上に必要なものを全て出しておくことです。
 具体的にはニューロデッキ、トランプ2組、レコードシート、プロファイルシート、アクトシート、ボールペン(黒と赤)、シャーペン、消しゴム。
 ニューロデッキとトランプは既にプレイが始まったときに置く位置に、レコードシートとプロファイルシートは各PLの席上に、筆記用具はすぐ使えるように手元において置く。

 こうしておくことでどのように時間短縮が出来るかというと、「出したり閉まったりする手間が減る。」

 これはどういうことかというと、例えば卓上に何も置いてない状態で始めるとすると、PLは「そこが空いている」と思い、卓上に物を置くことがよくあります。
 そして、セッションを開始しようとして、例えばニューロデッキを置こうとした時に誰かの筆記用具が置いてある。
そうすると、置いた人に頼んでどかしてもらってその後にニューロデッキを置きますよね?この時間が5秒かかるとすると、ここで5秒短縮出来たことになります。

 ここまで読んで「たった5秒かよwwwwww」と思う人もいると思います。

でも、考えてみて下さい。

5秒あれば、キャストが充分なロールプレイをしながら、一言喋れるのです。

 そしてTRPGという遊びは、時にはその5秒が足りなくて大事な一言が喋れないと途端につまらなくなる遊びなのです。

レコードシートを事前に配布しておくのも、PLが不必要なものを置かないようにするのと、開始前によくある
「レコードシート貰ったっけ?」という問答の時間を減らす為です。

ここで片付ける時間と問答の時間を合わせて合計10秒減らしたとしましょう。

そうするとさっきと合わせて15秒。

一言台詞を喋ってから、余韻を残すために5秒、間をとってさらに一言喋ることまで出来るのです!!

2、消費経験点のチェックはポストアクトにまとめて行う。

 キャストに消費した経験点をプレアクト時にチェックを希望する人も多いのですが、自分は「ポストアクトの時にまとめて行いますので」といって後にまとめて行います。

 これは「同じ仕事はまとめて行ったほうが時間もかからず効率的に行えるから」です。

 一つの仕事を行っている時に途中で別の仕事を行うと、
「仕事を中断して、作業現場を整理して、別の仕事の準備をしてから、別の仕事の作業現場を整理する。」
という手間が発生するのです。
これを消費経験点のチェックを例にとって考えますと
「シナリオやルールブックをチェックしている→チェックを頼まれる→シナリオやルールブックを置いて筆記用具と経験点チケットを受け取る→チェックする→経験点チケットを渡す→筆記用具を戻して、ルールブックやシナリオを手に取る
という手間が発生するわけです。

この手間を短縮して5秒稼いだとします。

するとどうでしょう!先ほどの短縮した15秒と合わせると
キャストが喋る→5秒考える→ゲストが喋る→PLがリアクションを5秒検討する

コミュニケーションが成立してつぎにどう喋るか考える時間まであるのです!!

今回は時間を例に出して語りましたが、これはモデルケースを他の事例*6にしても通用するので、もし宜しかったら試してみて下さい。

こういう細かいことの積み重ねが結局は自分にとっての技術となります。

自分はこの方法でN◎VAとかをなんとか3時間で回せるようになったので多分、大丈夫だと思います。

追記:やっておくとお得なシナリオのチェックのコツ

非常に単純なことなのですが、セッションの開始前に、
「ディスカッションの時にシナリオについてPLに何を質問したいか事前に考えておく。」

これを行うとディスカッションの時に「聞きたいのに忘れる」というミスやエラーを無くすのと、質問事項を考えながらシナリオをチェックすると、シナリオのポイントややりたいことをもう一度チェックできます。
お試しあれ。

*1:ここで休憩をとるのはキャラメイクから実際のセッションに頭を切り替える為と、オープニングでキャストをどう演じるか考える時間を与える

*2:ここはフェイズの節目なので区切りをつけて休ませるのと、リサーチで他のキャストとどう絡むか考える時間を与える

*3:キャストが大体出会いを終えたら休憩する。集まった情報からアクトの展開を予想させて、演出の指針を考えさせる時間を与える

*4:ここは状況に応じて入れたり入れなかったりする。具体的にはキャストやPLが温まっていて休ませると醒めると判断したときや、時間が押しているときはカットする。入れる場合もエンディングでどうロールするかを考えさせるだけなので短め

*5:ここも状況に応じて。でもエンディングの演出はじっくり考えたほうが楽しいだろうと思うので出来る限り入れる

*6:例えば「今回のダンジョンは緊張感あふれるようにキャラを一人殺してパーティーが半死半生になるようなデッドリーなバランスで組むぜ!!」とかでもOK