第15回「行くか、残るか?」

 昨日の回は後半の展開の素晴らしさに、久々に背筋に寒気が走るものを感じました。
 ちょっと、検索かけたりして調べて見たのですが、後半の展開について誰も感想とか述べてないみたいなので、私見ながら書きます。
今回のあらすじは
「浪士組を掌握した清河八朗が、江戸に浪士組一同と帰参しようとすると、近藤と芹沢が異議を唱えて脱退。そして、芹沢一派が清河を斬ろうとするのを、近藤一派は清河を逃がそうとして、夜の京の街で清河を追いかける。」

という話だったのですが、ここから後半の私見としての面白さを。
まず普通に面白い部分として
「清河というマクガフィンを追いかけて迷路のように入り組んだ夜の京の街を芹沢と近藤の二つのグループが追いかけるチェイス。」ここは凝ったカメラワークと各グループのエピソードを順次見せていくことで展開しています。
ここで、更に浪士組の一名が天膳という男を仇討ちしようとしており、そこへ永倉新八が近藤と別れて仇討ちに加勢して第三のグループが発生します。
ちょうど、この時点で京の街で火事が起きます。ここが重大なポイントです。この火事は大きなもので、京の夜を炎が赤々と照らしだしますが、具体的な場所が示されていません。示されていないのが重要なのです。
これは、「京の街にこれから起こる騒動を逃げる民衆と火消し組の人々で明示して、
更に赤々と燃え上がる炎が芹沢と近藤が脱退して初めて動いた時にあがる事で新撰組の誕生*1を示しているのです。だから、この火事は匿名性のあるものでなければならなかったのです。
そして、芹沢が清河と接触しますが山南の粋な計らい*2で清河が逃亡を図ります。ここで、暫く出ていなかった斎藤一が登場して、「京の街は迷路だ。俺が案内する。」という、この一言で
今回のコンセプトが「迷路で人々が出会いと別れを繰り返す。」要するに人生を迷路に見たてて描こうとしたことが判明するのです。
 そして、清河が逃亡した後に、近藤と斎藤は再会を果たし、永倉、山南達も合流。
火事が収まっており、「今日の騒動が一段落ついたのと、新撰組が無事に誕生したこと。」を表しています。そして全員で帰りながら居なくなった清河を「自分達を合わせてくれた恩人」と称えて「ありがとう」と礼を述べながら帰る。ここで今回の新撰組は終了。
最後の「ありがとう」で「一つの出会いと別れがまた終了し、人生が新たな局面に入ったことを見せている。

いや、思い返してもやっぱ凄いわ「新撰組!

*1:今日が初仕事であることは、近藤が清河を止める為に全員を集めたときに永倉が「俺達の初仕事が清河を斬ることではゲンが悪いだろう。」と述べています。

*2:今週の山南の悶えっぷりも凄かった。